並製本、くるみ製本、アジロ綴じの違いや特徴とは？

本の綴じ方（製本）にはいろいろな種類があります。
実物を見ると「これのことか！」とわかるのですが、多くの人は綴じ方の名前だけではイメージしづらいと思います。

ここでは、代表的な綴じ方である「並製本」「くるみ製本」「アジロ綴じ」について、それぞれ何が違うのか特徴や外観を紹介します。

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並製本と上製本

書店にならぶ本のうち、背表紙のある本は並製本か上製本に分けられます。

上製本と並製本は、表紙を見ればわかります。

並製本は柔らかい紙の表紙で、文庫本やコミックスのように表紙と本文が同じ大きさの本になります。

上製本の表紙は硬い紙で、文芸書や辞書、絵本のように本文に比べて表紙が大きい本になります。上製本は並製本に比べると、製本に時間とコストがかかる製本方法です。

くるみ製本と「無線綴じ」と同じ綴じ方

くるみ製本（無線綴じ）

くるみ製本、なんだかかわいい言葉ですよね。

木の実を連想した方もいるかもしれませんが、この「くるみ」はナッツのことではなく、本を「くるむ」ことを指しています。

くるみ製本とは、表紙の紙で本文を「くるむ」製本という意味です。無線綴じの別名です。くるみ綴じ」と呼ばれることもあります。

アジロ綴じと無線綴じの違い

アジロ綴じとは無線綴じの一種で、無線綴じを改良した綴じ方です。

外観では通常の無線綴じと区別がつきにくいですが、製本工程が異なり、強度や耐久性が特徴の製本です。

無線綴じは本文の各ページをばらばらの紙で、背の部分に製本用の接着剤をつけて表紙と接着させます。

アジロ綴じの製本方法

アジロ綴じは本文を1枚の大きな紙に印刷します。

1枚の紙で8枚または16枚の本文になるのですが、製本時に背の部分を切り離さず細かい切り込みを入れて接着剤をつけ、表紙と接着させます。

1枚1枚が独立している無線綴じは、180度開いて強く押したり、使いこむと本文が1枚ずつバラバラに外れてしまう恐れがあります。

しかし、アジロ綴じは複数のページが束になっているので、本を使いこんでもページがバラバラになりにくい、つまり耐久性が高いのです。長期保存したい書籍や使いこみたい書籍にアジロ綴じがおすすめです。

アジロ綴じは開きにくい

アジロ綴じは無線綴じより接着剤を多く使い、表紙と本文の糊付けされる幅が多くなるため、ノド部分が開きにくくなります。

ノドを開いてページを見せたい場合は、アジロ綴じより中綴じや無線綴じが向いています。

オンデマンド印刷では並製本「無線綴じ」が主流

アジロ綴じは大部数を印刷するオフセット印刷で用いられることが多い綴じ方です。

少部数印刷を得意とするオンデマンド印刷では、ページ数の多い冊子は「並製本で無線綴じ」が一般的です。

ブックホンではオフセット印刷、オンデマンド印刷ともに無線綴じ（くるみ綴じ）で製本できます。ぜひご利用ください。

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