図録の作り方、紙や装丁の選び方【美術展・展覧会】

前回記事：図録の印刷料金はどのくらい？実際の印刷価格を2パターン見積もってみました

美術館や博物館で発売される図録。
展示品の一覧と解説が掲載されており、「今日、ここで展示作品を見た記念に」と買い求める人も多い冊子です。図録を作るには、どのような紙を選び、どのような装丁、体裁の製本が向いているかを分かりやすくご紹介します。

図録、写真集の印刷製本　オススメ仕様・価格例
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図録は無線綴じ製本、コート紙かマットコート紙で作る

図録は美術展や展覧会で展示された作品や展示物すべてをもれなく掲載するため、ページ数の多い、厚みのある本になります。

製本形式にはいくつかの種類がありますが、ページ数の多い製本に向いていて、耐久性があって長期間の保存に適しているのが、無線綴じという背表紙ができるタイプの綴じ方です。多くの美術館・博物館で販売されている図録が無線綴じです。くるみ製本ともいいます。

ブックホンの無線綴じ製本は6～800ページに対応しています。

無線綴じで製本する本のデータは、本文ページ数を偶数ページで作成します。

図録の本文は、作品や展示物を写真で紹介します。
カラーの発色が良好で、写真が美しく表現されるコート紙やマットコート紙がおすすめです。

コート紙はツルツルした手触りで光沢のある紙で、マットコート紙は光沢を抑えたシックな雰囲気を持つ紙です。絵画の図録なら作品の色彩が反射せず、見やすいマットコート紙が向いています。

紙には「コート110K」や「コート135K」など数字が付いています。
これは紙の厚みを表し、数字が大きくなるほど厚みのあるしっかりした用紙になります。図録は長期間保管されることが多く、また作品の「格」を表現するという意味でも、厚めの紙を選ぶことをおすすめします。

図録におすすめの用紙

・  本文用紙

コート110K　　　マットコート110K

コート135K　　　マットコート135K

・  表紙用紙

アートポスト200K　　または　　マットポスト220K

表紙に使用されることが多いのが、アートポストという厚手の紙です。雑誌やポストカードに使われる紙で、カラーが美しく鮮やかに表現されます。

図録の装丁　「見返し」、無地の「扉」で世界観を伝える

見返しとは表紙の裏に別の紙を貼る装丁、加工で、表紙をより厚くして耐久性と高級感を持たせる効果があります。

扉は本文とは違う紙を間に挟み本文中の章の区切りなどを分かりやすくするために使う加工です。
表紙をめくった1枚目に表紙と同じ色の扉を挟むことで、美術展や展示会のテーマやイメージを伝え、図録をめくる「特別感」「作品の世界観に入る導入」を演出する効果もあります。

扉にタイトルや美術展・展示会名を印刷することも可能です。

さらに、扉は本文中に挟むこともできます（中扉、章扉）
例えば、前半は展示品の写真、後半は解説とする場合、展示品と解説の間に扉を入れることで、検索性が向上して使いやすい図録になります。

扉はなくても図録全体のイメージは損なわれませんが、見返しは雰囲気のある重厚な図録、高級感のある1冊に仕上がりの図録にはスタンダードな装丁といえます。

「予算におさまるよう仕様を決めたい」
「用途にあった紙や、印刷方法を教えてほしい」

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