本の「天」「地」とは？必要な余白やデータ作成の注意点【冊子印刷の疑問】

本や冊子の印刷、デザインの世界では、普段なかなか耳にしない用語がたくさんあります。
そのため、冊子印刷に初めて挑戦する方や慣れていない方だと、難しく感じたり、戸惑うことも多いかと思います。

今回は入稿データの作成にも重要な「天」「地」について説明します。

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「天」「地」とは、本の上側と下側のこと

「天」「地」とは、その名の通り、本の上側と下側を指した用語です。
印刷業界では、本の上下左右を「天」「地」「小口」と表現します。「小口」はページを開く側の左右を指しています。また、見開き中央の綴じ込み部分を「ノド」と呼びます。

「天」「地」の余白は何mm？

入稿データの作成で、余白をどうするかは読みやすさや印象に関わる重要なポイントです。

天、地にはある程度の余白が必要になります。
断ち切りのデザインなら、余白は無しになります（塗り足し必須！3mmの塗り足しどうする？いい例と悪い例）

では「天」「地」の余白は何mmは良いのでしょうか？

余白に決まりはなく、自由に設定できますが、一般的にA4サイズで20mm以上あると「読みやすい」といわれます。

すべてのページで余白を統一すると本全体にまとまりが生まれ、読者の視線が一定になって読みやすさも向上します。小説や論文など文章中心のものに、特に取り入れたい設定です。

広い余白、せまい余白

余白はある程度余裕をもって設けられているほうが、読みやすく洗練された印象になります。
天地の余白をたっぷり取って、文字やビジュアルを中央に寄せると、上質でクリエイティブな紙面にデザインできます。反対に余白が狭く、文字が詰まったレイアウトになると、読者には圧迫感があり読みづらい印象になります。

小口の余白は、ギリギリまで文字や画像が印刷されていると、ページをめくるときに指で隠れてしまうことを避けるためにも、10mm以上は余白をとっておきたいですね。

文字切れを避ける「余白」

印刷会社が製本する工程では、仕上がりサイズの一回り大きな紙に印刷した後、裁断機で天・地と小口をカットして指定されたサイズに仕上げます。

そのため、文字や画像が天地、小口の端近くまで印刷されていると、裁断されたときにわずかにずれて、意図しない位置で文字や画像が立ち落とされて、欠けてしまう可能性があります。

文字切れを避けるためにも、適切な余白の設定が大切です。

ノドと小口の余白は何mm？無線綴じ＆中綴じ【冊子印刷の入稿データ作成】

縦型の冊子は天地が逆転…？

壁掛けカレンダーのように、上下にページをめくる縦型の冊子（天綴じ）は、ページよって天が小口になったり地になったりします。

横開きならイメージの画像がそのまま上が天、下が地になりますが、縦開きではページの表と裏で天地、ノドが変わる点にご注意ください。

特に中綴じ冊子でノド側に余白を作らないデザインで印刷をしたい場合は、ページごとの天地、ノドと余白の設定を慎重に確認する必要があります。

ネット印刷や印刷会社に発注する前に、メモ用紙で簡単なサンプルを作って確認すると、失敗が防げておすすめです。
ノドにしたい側をホチキスで留め、めくってみて「表は天がノド、裏は天が小口」と、各ページの向きを実際に把握しながら、データ作成を進められます。

天綴じ冊子（縦型）注文方法と入稿データ作成

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