【本の装丁】読む期間、使用年数からどんな製本、装丁がいいかを考える

「作りたい本のイメージがある」
「でも、装丁をどうすればいいかわからない」と悩んでいませんか。

本の装丁は、人で例えれば髪型、靴のような位置付けです。読者が本に出会ってからの時間や空間、手に取った印象を左右する重要な要素です。本の装丁、外観をしっかりと考えることで「狙ったイメージ」の本に演出できます。

イメージ通りの本を仕上げる製本や装丁のアイデアを、本を読む期間に分けてお伝えします。

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本を使う期間によって製本方法を決める

作りたい本は、読者にとってどのような読まれ方をする本でしょうか？

持ち主の元でいつまでも保管してほしい本、そばに置いて飾っておきたい本、数年は頻繁に見る本、数回は読んだ後はメルカリに出品するかもしれない本、一度目を通したら満足する本・・・。
読者がどのくらいの期間手元に置いておきたいか、その間何回くらい読むかを想定することで、選ぶべき装丁が決まります。

保管期間が長いと予想される本にはしっかりした製本、重厚な装丁が向いていますし、パンフレットや週刊誌のように短期間で消費するタイプの本ならシンプルな製本で問題ありません。

本を所有する期間、読む回数に合った製本方法をまとめてみました。

上製本で仕上げられた冊子

上製本は厚みのある芯紙で全体を包む製本です。耐久性が高く重厚感があります。百科事典や卒業アルバム、文学全集、文芸書、絵本など長期間繰り返し読まれる本の多くが上製本です。

無線綴じ製本

無線綴じは、厚みはあるけれど上製本に比べて柔らかい紙を表紙にした製本。表紙と本文が同じ大きさです。
しっかりした仕上がりで参考書や自己啓発本、ハウツー本など数年ほど保管して読むような書籍の多くは無線綴じ製本です。

中綴じは雑誌のように見開きの中央線上をホチキスで留める製本です。薄い冊子向きでカジュアルな雰囲気があります。
パンフレットや説明書、会報、フリーペーパーなど必要なときに数回読んだり、送付・配布する冊子によく使われています。

スクラム製本は新聞のように重ねた紙を2つ折りにした製本。ホチキス留めの無い中綴じ製本です。
のりやホチキスで留めておらず、比較的軽い紙で綴じることが多いスクラム製本は新聞以外にも保管期間の短い社内報や会報、フリーペーパーにも適しています。

平綴じは会議などで配布される資料のように、重ねた紙を表紙の上からホチキスで留める製本です。
簡易的な綴じ方なので、長期間の保管には向かず、会議や講習など一時的な資料やテキストに向いた製本です。

見返し加工（無線綴じ製本）

見返しとは、表紙の裏に別の紙を貼りつけて装飾性をもたせる装丁です。
見返しに使用する紙の分だけ表紙に厚みが増し、見返しの紙と本文部分が糊付けされることで、本全体が補強され耐久性と強度が上がります。

また、見返しに色上質紙を使用することで、本の雰囲気や世界観を色から伝え、読者が本文へ入る前に期待を高め、イメージを膨らませる効果もあります。
上製本なら見返しはほぼ必須。無線綴じ製本でも見返しをつけることで高級感と品格が増します。

無線綴じ冊子に見返しをつけた場合の料金の例を見てみましょう。
見返しなどの装丁は、印刷会社やネット印刷では追加料金が必要な「オプション」で指定する注文方法が一般的です。

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