論文、論文集の本文に適した紙の種類、厚み【冊子の印刷製本】

書き上げた論文を冊子にしたり、論文集にまとめるため、印刷会社やネット印刷に発注する際、どの紙を使うかを指定します。

しかし、紙には非常に多くの種類があり、同じ銘柄でも厚みがいろいろあります。
「冊子の用途に向いている紙、向いていない紙」があり、適した用紙を選ばなければ読みにくいだけでなく、ちぐはぐな印象の冊子になってしまうので注意が必要です。

論文の印刷に向いている紙、おすすめの紙、適切な厚みについて詳しく紹介します。

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論文印刷の本文には「上質紙」か「書籍紙」

（左）書籍用紙　（右）上質紙

結論からお伝えすると、論文のような「文字中心の冊子」「読む冊子」には、上質紙または書籍紙がおすすめです。

上質紙は、最も流通している白色の紙で、さらっとしたナチュラルな質感はコピー用紙やノートと同じイメージです。

書籍紙には「書籍用紙」「ホワイト書籍」「ラフクリーム書籍」などの種類があり、上質紙より少し厚みのある書籍紙、薄い色のついた書籍紙があります。

上質紙と書籍紙はどちらも可読性が高くめくりやすく、文字中心の冊子の多くがこれらの紙を本文に使い、印刷製本されています。

上質紙、書籍紙が本文によく使われる冊子

• 論文
• 教科書、参考書
• 学術書
• 文芸書
• 文庫本
• 小説
• エッセイ
• 記念誌
• 報告書

ブックホンで取り扱っている上質紙と書籍紙

ブックホン　取り扱い用紙一覧

論文印刷には白い紙と薄クリームの紙、どちらが向いている？

白い紙と薄クリーム色の紙の違いは、外見的な印象のほかに「可読性」があります。

薄いクリーム色系の紙

文字は黒で印刷されるため、紙の色が薄クリーム色の紙は、文字の色とのコントラストが柔らかく、目に優しく長時間読んでも目が疲れにくい特徴があります。

そのため、細かい文字で文章が続く論文集、ページ数の多い論文集は、薄クリーム色の書籍紙やラフクリーム書籍紙で印刷すると読みやすい冊子に仕上がります。

また、薄クリーム色の書籍紙は上品で高級感がある点も論文向きといえます。

白系の紙

上質紙やホワイト書籍のような白い紙は、パリッと明るく清廉な印象でポピュラーである反面、少し事務的な印象もあります。
可読性も問題なく、きれいに印字できすます。

上質紙は報告書や資料、広報誌などビジネス向きの冊子でも使用され、一般的で誰もが手に触れたことのある紙です。

論文をビジネスの提案として冊子にするなら白い紙、記念として、読みやすさや高級感を持たせたい論文集なら薄クリーム紙、と使い分けると良いでしょう。

論文、論文集の本文用紙、厚さはどのくらいがいい？

紙の厚さは、1つの紙に1つの厚さではなく、数種類あるのが一般的です。

冊子本文の紙の厚さを決める基本は

• ページ数が多く、厚みのある冊子には「薄い紙」
• ページ数が少なく、薄い冊子には「厚めの紙」

です。
高級感を出したい冊子に厚めの紙を選ぶこともあります。

ページ数と本文の厚さ

例えば、本文100ページの論文では、両面印刷では50枚の紙を使用します。
無線綴じ製本の論文に、上質紙70K（約0.10mm）を使用すると、本文の厚さは5mm、ラフクリーム書籍（約0.12mm）を使用すれば本文の厚さは6mmとなります。（この厚みに、表紙に厚みが加わります）

300ページ、500ページとページ数が増えると、紙の厚みの違いがわずかでも背幅が大きく変わります。分厚すぎる冊子は重く、めくりやすさや開き具合にどうしても難が生じてしまいます。持ち運びや、本棚への収納にも負担がかかります。

論文のページ数を考慮しながら、紙の厚さを選びましょう。

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