Photoshopでデータ作成する前に！3つの超基本チェックポイント

冊子の原稿データをPhotoshopで作成する時、DTPの超基本となる3つのポイントをおさえるだけで、印刷製本に適したデータになり、仕上がりイメージ通りの満足できる冊子を完成させることができます。

時間をかけて、悩みながらも完成させる原稿データ。
満足できる仕上りの冊子を手にするため、データ作成を始める前にPhotoshopの「3つの超基本ポイント」をチェックしましょう。

『Photoshopで作成』の超基本①　カラーモードはCMYK

PhotoshopのカラーモードはRGBとCMYKの2種類があり、RGBはディスプレイ表示に使用されるモード、CMYKは印刷で使用するモードです。

それぞれの色味は表現方法により異なりますが、RGBが鮮やかな発色をするのに比べ、CMYKはやや沈んだ、落ち着いた発色です。 CMYKモードで進めていたはずなのに、『華やかな紫』『鮮やかな緑』『ビビッドなピンク』が画面で再現できている場合は、RGBモードかも？と疑ってください。

色味の違いを後から調整するのはデザイン上からもスムーズといえません。

原稿作成の開始からカラーモードをCMYKにしてから（またはCMYKプレビューで色味を確認しながら作業する）作業を進め、仕上がりの色の印象が変わるのを防げます。
ただし、小冊子に載せる写真の色味の編集などの場合は、RGBモードの方が直観的に調整しやすい場合が多いので、

１．『ひとつの素材』としてRGBモードで色味の調整（CMYKプレビューチェックは必須）→保存
２．一旦別名保存→CMYK変換（一連の作業後は破棄してOK）
３．CMYKモードの入稿ページ用PSDへ持ち込み・レイアウトやトリミングを行う

という流れがおすすめです。

ずっとRGBモードで最後にCMYK変換でも…と思われるかもしれません。
RGBモードはチャンネル3枚、CMYKモードは4枚ですので、PSDファイルのデータ量が少なくて済むメリットもあります。
ただし、どんなにキレイなRGBカラーでも、CMYK変換をかけると色はほとんど濁る＝複雑なCMYKの掛け合わせで再現されます。そして複雑なほど、紙面では野暮ったい色になります。色にそこまでのこだわりがなければ実務的にはアリと言えます。

カラーモードは新規作成時の画面から「カラーモード」で選択できます。
作成後も、「イメージ」⇒「モード」からCMYKを選択して変更できます。

印刷会社へのデータ入稿もCMYKで保存したデータを入稿します。

『Photoshopで作成』の超基本②　解像度はカラーで350dpi推奨

パソコンやスマホの画面で見る場合、見た目はディスプレイ解像度に依存しますので、印刷用データが低解像度でも気が付きにくいものです。
しかし、72 dpiで作成された画像を印刷すると、細部がきれいに表現されず、ぼやけた荒い画像になってしまいます。

印刷する原稿データの解像度は、カラー、モノクロやグレースケール、それぞれに適した数値に設定する必要があります。

印刷に適した、原寸サイズの解像度　推奨値

●　カラー印刷（CMYK）

解像度　300～350dpi（推奨）

●　モノクロ印刷

グレースケール　解像度　600dpi

モノクロ2階調　解像度　1200dpi

この数値より小さくても印刷は出来ますが、荒れた画質になることがあります。
また、この数値より大幅に解像度の高い画像は、印刷会社での作業時にエラーを起こす恐れがありますので、できるだけ控えて推奨値に設定して、入稿しましょう。

Photoshopの解像度は、新規作成画面の「解像度」で設定できます。
すでに作成されたファイルの解像度は、「イメージ」⇒「画像解像度」から確認できます。
Photoshopの場合、解像度の単位は＜ppi／ピクセルパーインチ＞で、厳密には＜dpi／ドットパーインチ＞とは表す対象が異なりますが、画像ソフトの解像度と印刷に必要な解像度の関係において、ppiとdpiは、数値上は1：1で換算、同じ値だと考えて問題ありません。

『Photoshopで作成』の超基本③　正しいサイズで作成・塗り足しを忘れない

入稿された原稿は、仕上がりサイズより一回り大きい用紙に印刷して最後に仕上がりサイズになるよう上下左右を裁断しますが、機械と言えど印刷時、特にオンデマンドでの印刷ズレは起こり得ます。さらに裁断する際にも、用紙を数百枚から数千枚重ねて一気に切るために誤差が生じます。

断裁線（＝仕上がり線）付近に十分な余白があるデザインなら問題ないのですが、断ち落としデザイン＝プリンターの設定でよくある《フチ無し印刷》のような、仕上がり紙面の端まで画像データなどがあるデザインにしたい場合は注意が必要です。
画像が仕上がり位置より少し外側まで塗り足されていれば、微妙なずれが出て裁断しても分かりませんが、仕上がり位置ギリギリまでしか画像がないと、わずかに少し外側で裁断された場合、白く細い線（用紙の白地）が出てしまいます。

このフチに白い線を出さないために、フチ無し印刷の様なデザインは仕上がりサイズの3㎜外側まで元の画像を広げた塗り足しサイズで作成する必要があります。

Photoshop　塗り足し分を含めたサイズ設定

Photoshopでの塗り足しサイズの設定は、新規作成時ならカンバスのサイズを仕上がりサイズより縦横ともに6㎜大きな値を手入力するだけです。
すでに作業を始めているなら「イメージ」⇒「モード」⇒「カンバスサイズ」からサイズを変更できますが、チャンネルやパスでオブジェクトにマスク設定がある場合、マスク位置は保持されたままカンバスサイズだけが拡がる＝塗り足しエリアにデータがない状態になりますので必ずマスク領域に問題がないかチェックしてください。

仕上がりがA4サイズの塗り足し付きサイズ

A4は210㎜×297㎜なので、それぞれに6㎜を足した、

216㎜×303㎜　に設定します。

その上で、描画エリアの端までデータを作成してください。端は仕上げ段階で切り落とされますが、印刷データ上は端まで図柄が必要です。

作成するデータサイズに関してはサイズ計算ツールもご参照ください。

参考記事：
塗り足しと文字の配置が、印刷物を美しく仕上げる決め手！

Photoshopで作る入稿データの保存方法

Photoshopで作った原稿データは、文字化けやレイアウト崩れを防ぐため、すべての画像とテキストをレイヤー統合してから保存します。

「レイヤーメニュー」から「画像を統合」を選んでください。
鍵マークが表示されれば問題ありません。

【注意！】
レイヤーの統合は「別名保存」で、別ファイルにしてから行いましょう。
一度、レイヤーを統合すると、元の分かれたレイヤーに戻せません。

PDF形式で保存、入稿すればトラブル防止＆ブックホンなら10％安い！

ブックホンではPSD形式のデータ入稿に対応していますが、PDF形式でのデータ入稿は通常価格から10％割引になります。

文字化けやレイアウト崩れ、操作環境の違いによるエラーなどのトラブル防止にも、PDFは役立ちます。

参考記事：
入稿データをPDFに保存・変換する方法とフォントの埋め込み（Word、Excel、Illustrator、Photoshop）

原稿作成前、入稿前の超基本３つのポイント＆PDF入稿で、安心して納得できる完成冊子がお手元に届きます。

「こんなはずじゃなかった・・・」とガッカリしない冊子制作に、ぜひお役立てください。

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